贈与は、財産を他者に無償で譲渡する行為で、相続に備えた生前対策や、財産分散の手段として広く活用されます。

節税に活用できる贈与の基本的なこと、種類・非課税枠、注意点、節税効果について前半後半の2回に分けてわかりやすく説明します。今回は贈与の基本的なことを取り上げます。

1. 贈与の基本・一般的なこと

  •  贈与税とは:財産を無償で譲渡又は低額譲渡された場合に、譲渡された個人(受贈者)に課される税金が贈与税です。
  •  贈与税は :贈与を受けた人がその年に受け取った財産の合計額に対して課税されます。金銭による一括納付が原則。一括納付が困難な場合には、一定の要件のもと延納(5年以内)が認めらます。 なお、贈与税には物納の制度はありません。

贈与税の課税財産・非課税財産

贈与税の課税財産には、「本来の贈与により取得した財産」と 「みなし財産」があります。

 課税財産

  • 本来の贈与財産例

 ⇒現金、預貯金、有価証券、土地、家屋、貴金属・宝石、書画・骨董品など

  • みなし贈与財産

 ⇒自身で保険料を負担せずに受け取る保険金

 ⇒自身で掛け金を負担せずに受け取る定期金・年金など

 非課税財産

 ①扶養義務者相互間の生活費、教育費

 ②社会通念上相当である冠婚葬祭費

 ③公益事業用の財産など

 ④法人からの贈与(贈与税は非課税でも所得税が課税される)

タイミング 

  :贈与は贈与者が生存中に行われ、相続税とは区別されます。

課税関係

  :贈与により財産を取得した受贈者に次の通り課税されます。

 ⇒贈与者(個人・法人)と受贈者(個人・法人)の組合せの関係により、贈与税・所得税・法人税のいずれかが適用されます。

基礎控除額

  :1人の者(受贈者)が1年間(暦年)に贈与された財産の合計額から110万円が控除される。 この金額を控除された残額に対して、贈与税率を乗じて贈与税が算出される。1年間の受贈額が110万円以下であれば、贈与税は課税されない。

税 率

  税率は「一般贈与財産の税率(優遇)」「特例贈与財産の税率」の2種類があります。

  • 一般贈与財産税率 : 夫婦間の贈与、未成年者への贈与、兄弟間の贈与を対象とし、特例贈与財産税率に比較すると控除額が大きい
  • 特例贈与財産税率の対象: 直系尊属(父母・祖父母)からその年の1月1日現在18歳以上の直系卑属(子・孫)への贈与

参考にしてください。

 次回後半では、贈与の種類と非課税枠、注意点、節税効果を取り上げます。   by 群馬県太田市 瀧口行政書士事務所

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