生前対策の必要性を漠然と感じていても、まだ先のことだし、身近で対策が行なわれてない限り実感が乏しいのが一般的です。その根拠のない楽観論のため、何も具体的な対策を取らず、遺産を巡る争いや意思能力の低下によるトラブルに巻き込まれてしまうケースが多く散見されます。テレビドラマの影響もあって「うちにはあんな多くの財産がないから相続争いは起きない」という思い込みが多く、非常に危険です。今回は認知症高齢者の増加のデータを中心に確認・考えていきましょう。
高齢化社会の実態
高齢化率:総人口に占める65歳以上の人口割合
1980年 9.1%(実績値)
1990年 12.1%(実績値)
2000年 17.4% (実績値)
2010年 23.0%(実績値)
2020年 28.8%(実績値)
2025年 30.0%(推計値)
出典:内閣府「令和3年版高齢社会白書」
認知症高齢者の将来推計
2012年 15%(462万人)
※ 括弧内は65歳以上人口比
2025年 約20%(約700万人)
高齢者の約7人に1人
出展:厚労省「認知症施策の動向について」令和元年9月6日
遺産分割調停・審判の金額別割合(5,000万円以下の割合)
2016年 75.5%
2017年 75.5%
2018年 76.2%
2019年 76.7%
2020年 77.6%
出典:「最高裁判所司法統計」
さて現在の幸運は、統計に基づく発生確率・発症確率を超えて長く続くでしょうか。その幸運を天に祈るよりも、自らの意思に基づき対策を打っておきたいものですね。運任せ天任せは、子供に対する親としての責任を果たしていると言えるでしょうか。 一考の価値はありそうですね。
参考にしてみて下さい。 by 群馬県太田市 瀧口行政書士事務所