家族信託は、高齢化社会や相続対策において有効な手段として注目されています。今回は、家族信託の代表的な事例(概略のみ)をいくつか紹介します。
1.高齢の親の財産管理
親が認知症などで財産管理が難しくなる前に、信託を活用し、子どもが親の代わりに財産を管理・運用できるようにする。
2.障害を持つ子どものための資産保全
障害を持つ子どものために、親が死亡した後も適切な支援を受け続けられるよう、信託を活用して資産を管理。
3.複数の子どもがいる場合の公平な相続
信託を活用して親の財産を子どもたちに公平に分配する仕組みを事前に作成する。
4.不動産の相続対策
不動産を信託財産とし、相続税対策や相続後の複雑な所有権の問題を未然に防ぐ。
5.家業の承継
家族信託を用いて、事業の経営権や財産を特定の後継者にスムーズに引き継ぐ。
6.親の介護資金の確保
信託を活用して、親の介護資金を事前に確保し、必要に応じて信託から取り崩せるようにする。
7.配偶者保護のための信託
夫婦の一方が先に亡くなった場合、残された配偶者の生活資金を確保するために、信託を活用。
8.教育資金の信託
子や孫の教育資金を信託して、計画的に資金を供給できるようにする。
9.信頼できる親族による遺産分配
信託を利用し、信頼できる親族に遺産の分配を託すことで、トラブルを未然に防ぐ。
10.ペットのための信託
家族同然のペットが安心して暮らせるよう、ペットのために信託を設けて飼育費用を確保。
これらの活用例は、家族信託の柔軟性と有用性を示しています。
状況に応じて、信託を有効に活用することで、財産管理や相続におけるリスクを軽減することが可能です。
最後に、今回は家族信託の活用例を紹介しましたが、生前対策には、遺言、生前贈与、任意後見、生命保険活用その他があります。
貴方にあった納得のいく、意向に沿った生前対策(組合せ)を、お元気なうちに専門家に相談されたら如何でしょう。早期発見、早期対策が重要で、事後対応では打てる手が限られてしまいます。
参考にしてみてください。 by 群馬県太田市 瀧口行政書士事務所