前回おひとり様において、元気な老後期から体調が不調・不安な老後期にかけての対策をご紹介してきましたが、今回は終末期以降についておこないたい対策を考えていきます。
終末期
終末期では、信託契約を活用して、財産管理や葬儀、相続に関する最終的な準備を行います。
①信託契約の最終確認: 受託者が財産を適切に管理し、信託の目的(介護費用、葬儀費用、相続財産の分配など)が達成されることを確認します。
②ホスピスや緩和ケアの選択: 自分の意思に沿ったケアを受けるため、適切な医療・介護サービスを選びます。
③葬儀や埋葬の準備: 死後事務委任契約を通じて、葬儀や埋葬の費用を事前に確保し、自分の希望通りの儀式が行われるように受任者と打ち合わせします。
④財産管理の最終調整: 信託契約に基づいて、残された財産の管理・分配が適切に行われるように確認します。
⑤家族や友人との意思疎通: 最期の希望や感謝の気持ちを伝え、受任者、受託者にも自分の意思を再確認してもらいます。
⑥終末期の医療: 延命措置の拒否や最終的な医療方針を明確にして(尊厳死宣言契約:公証役場で作成)、受託者や医療関係者に共有します。
死 後
死後事務委任契約は、死亡後に行う手続きを遺族や第三者に代行してもらうための契約です。遺産分割協議書の締結までに行うべき手続きを含めた、死後事務委任契約に盛り込むべき主な内容を次に紹介します。
連絡:相続人、本人の意思(エンディングノートで確認)に基づく親族、友人知人、関係者へ連絡をします。
遺体の移送・安置 : 葬儀業者に依頼し、病院・施設から遺体を移送・安置してもらいます。
死亡届の提出 : 市区町村役場への死亡届の提出手続きです。
遺体の火葬・埋葬手続き : 火葬許可証の取得および火葬・埋葬に関する手配です。
葬儀の手配 : 葬儀社との連絡、葬儀の準備、場所や形式の選定です。
遺体や遺骨の管理 : 遺体の安置、遺骨の供養・納骨手続きです。
各種届出・手続き : 住民票の抹消手続き、健康保険、年金の手続き(健康保険証の返却、年金受給停止手続き)です。
金融機関への連絡と預貯金口座の凍結 : 銀行への死亡通知と預貯金口座の凍結手続きです。
生命保険・損害保険の請求 : 生命保険金や損害保険金の請求手続きです。
賃貸物件の解約および引き渡し:賃貸契約の解約、敷金の清算、物件の引き渡しなどです。
公共料金・契約サービスの解約:電気、水道、ガス、電話、インターネット等の契約解除です。
クレジットカード・サブスクリプションの解約:クレジットカードやサブスクリプションサービスの解約手続きです。
SNSやメールアカウントの解約:インターネット上のアカウントやサービスの処理です。
相続財産の調査 : エンディングノートなどをもとに、遺言執行者による遺産の確認、財産目録の作成です。
遺言書の保管・開封:遺言書がある場合の適切な保管と、開封・内容確認手続きです。
未払い税金や社会保険料の清算:死亡者の未払い税金や保険料の確認と支払い手続きです。
負債の確認と処理 : 借入金やローンの確認、必要に応じた処理です。
遺産分割協議の準備: 相続人間での遺産分割協議の準備と調整です。
これらの内容を事前に詳細に取り決め、死後事務委任契約として締結ておくことで、遺族や代理人がスムーズに事後の手続きを進めることが可能となります。
参考にしてみて下さい。 by 群馬県太田市 瀧口行政書士事務所