信託財産にできるもの(信託財産)とは、信託法2条3項で、受託者に属するものであって、信託により管理又は処分をすべき一切の財産をいうと定められています。基本的に経済的価値があり、権利が移転できるものが信託財産として扱えます。
信託財産にはできるものとできないものがあります。それぞれ具体例を挙げて説明します。


信託財産にできるもの
不動産 : 例: 土地、建物、マンションなど
現金・預金 : 例: 銀行口座の預金、現金
有価証券 : 例: 株式、債券、投資信託
生命保険の権利 : 例: 生命保険契約における保険金請求権
貸金債権 : 例: 貸したお金に対する返済請求権
知的財産権 : 例: 特許権、著作権、商標権

信託財産にできないもの
経済的価値がないものや、個人的な権利は信託財産にできません。

一身専属権(個人的な権利) : 例: 年金受給権、扶養請求権、労働契約に基づく給与請求権
 → これらは個人に対する権利であり、他人に譲渡できないため信託財産にはできません。
受益権そのもの :  信託財産にした財産から得られる利益(受益権)そのも  
 のは信託財産にできない。
未発生の権利・不確定な権利 : 例: 未来の相続財産
→ 相続が発生していない段階の相続財産は信託財産にはできません。

信託財産にできるか注意が必要なもの
動産(家具や自動車など) : 例: 車、家財道具、貴金属
 → 理論的には信託可能ですが、実務的には管理の手間や名義変更が難しいため、通常は信託対象にされません。

不確定な利益  : 例: 将来の収益、事業の成功による利益
 → 確定していない利益は信託財産にしづらいです。

まとめると、信託財産として使えるものは「経済的価値があるものや、他者に譲渡可能な権利」であることがポイントです。一身専属的な権利や、公序良俗に反するものは信託に適さないという点に注意が必要です。
信託財産として扱うものには、法律上の制約や手続きの複雑さがあります。事前に専門家に相談し、信託財産として適切なものを選定することが重要です。

参考にしてください。

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